地図で考える肺炎流行

*このページは、感染症の専門家ではない人間が作成しており、誤りが含まれている場合があります。匿名まとめサイトへの転載はお断りします。

【新型コロナウィルスの累積感染者数】

縦軸が対数目盛になっています(感染症の場合は、急激に感染者が増加するので、対数の方がグラフ表現しやすい)。
ちなみに2009年の新型インフルエンザの時に作成したグラフはこちらです。 2月1日に作成した新型コロナのグラフはこちら

データは、世界保健機関状況報告を用いています。客船における感染者数は日本から除いています。
日本については、指数近似線を示しました。
各国ともPCR検査(ウィルスの遺伝子配列を調べるもの)に基づいているとみられますが、

国によって、検査能力や検査対象者の範囲が異なっている可能性があります。
検査を積極的に実施している国は、感染者数が多くなると考えられます。

韓国では2月20日から、イタリアでは2月22日から、スペインでは2月27日から感染者数が急増しています。

感染者が千人を超えてから1万人に達するまでの日数は、
中国 韓国 イタリア イラン スペイン フランス ドイツ アメリカ スイス イギリス カナダ 日本
7日 37日 10日 10日 8日 11日 11日 7日 13日 12日 13日 29日
1/25

2/1
2/26

4/3
3/1

3/11
3/3

3/13
3/10

3/18
3/9

3/20
3/9

3/20
3/13

3/20
3/14

3/27
3/15

3/27
3/21

4/3
3/21

4/19

2009年の新型インフルエンザの時は、
アメリカ22日(5/9→6/3)、イギリス27日(6/13→7/10)、57日メキシコ(5/7→7/3)でしたので、
感染者の拡大が急であることがわかります。

客船については、すべての乗員?乗客の下船が完了しました。帰国後?帰宅後に新たに陽性となった人もいます。
客船の感染者数は712人、乗員?乗客の総数は3711人でした。感染率は約19%と考えられます(感染機会は1月中旬~2月中旬か?)

【新型コロナウィルス肺炎の世界的な死者数?人口1万人あたり】*図をクリックすると別窓で拡大表示されます。

データは世界保健機関、アプリはMANDARAを使用しました。西欧と北米を中心に人口当たりの死者数が多くなっています。

累計死者数   人口1万人あたりの死者数
1 アメリカ合衆国 北アメリカ 98889人 1 サンマリノ ヨーロッパ 13.5人
2 イギリス ヨーロッパ 37837人 2 ベルギー ヨーロッパ 8.5人
3 イタリア ヨーロッパ 33142人 3 アンドラ ヨーロッパ 7.7人
4 スペイン ヨーロッパ 29037人 4 スペイン ヨーロッパ 6.2人
5 ブラジル 南アメリカ 25598人 5 イギリス ヨーロッパ 6.0人
6 フランス ヨーロッパ 20608人 6 イタリア ヨーロッパ 5.6人
7 ベルギー ヨーロッパ 9388人 7 スウェーデン ヨーロッパ 4.5人
8 メキシコ 北アメリカ 8597人 8 蘭シントマールテン その他 3.8人
9 ドイツ ヨーロッパ 8450人 9 オランダ ヨーロッパ 3.7人
10 イラン アジア 7627人 10 アイルランド ヨーロッパ 3.6人
11 カナダ 北アメリカ 6799人 11 フランス ヨーロッパ 3.4人
12 オランダ ヨーロッパ 5903人 12 アメリカ合衆国 北アメリカ 3.2人
13 インド アジア 4706人 13 英ジャージー島 その他 3.0人
14 中国 アジア 4645人 14 英マン島 その他 2.8人
15 トルコ アジア 4461人 15 エクアドル 南アメリカ 2.3人
16 ロシア ヨーロッパ 4374人 16 ルクセンブルク ヨーロッパ 2.1人
17 スウェーデン ヨーロッパ 4266人 17 スイス ヨーロッパ 2.1人
18 ペルー 南アメリカ 3983人 18 カナダ 北アメリカ 2.0人
19 エクアドル 南アメリカ 3313人 19 英ガーンジ-島 その他 2.0人
20 スイス ヨーロッパ 1654人 20 英モンテセラト その他 1.9人
                 
29 日本 アジア 874人   111 日本 アジア 0.07人


人口1万人あたりの死者数は、西欧を中心とした欧州、その属領、北米が上位を占めています。

【新型コロナウィルス肺炎の世界的な感染者数】*図をクリックすると別窓で拡大表示されます。


2月11日段階感染者数(ボンヌ図法) 3月1日段階感染数 3月16日段階感染国?死者数    


世界各地で感染者差別が起こっているようです。「ウィルス」よりも先に「不安」が蔓延しているのでしょう。
こんな時は、思いやりの「心」が大切なので「ハート型」の世界地図にしました。ヴェルナー図法と呼ばれている正積図法です。
(作図の都合上、グリーンランド東海岸の部分のみ、東西方向にやや拡大された表現となっています。)
基準経度は東経150度としました。なお、ボンヌ図法の北緯90度を基準にしたものです。
感染者が出ている国をピンクで彩色しました。80人以上の死者が出ている国は、赤円を示しました。
データは世界保健機関発表の状況報告に基づいています。

なお、国によって、検査体制が大きく違います。データ質が違うものを世界地図にしている可能性があることにも注意してください。

背景地図はQGISを用いて作図しましたが、彩色はペイントソフトを用いています。塗り間違いがあるかもしれません。

(4/7追記)
当初はアジア(中国)中心の流行でしたが、3月中頃より感染の中心は欧州?米国となりました。
そのため、円が重なってしまって、地図表現としては、うまくいっていない面もあります。
感染国もほぼ世界全体に広がり、桃色で彩色することの意味が薄れてしまいました。
なお、4/7時点で、感染が確認されていないのは、
北朝鮮、レソト、イエメン、タジキスタン、トルクメニスタンなどです。

現段階(5月29日)での致命率は6.3%です(357,688人/5,701,337人)
これは、重篤な症状を起こす既知のコロナウィルスと比較して少し低い値となっています。
なお、2009年の新型インフルエンザと比較すると、高い値となっています。
中国が感染者の99%を占めていた2月5日段階の致命率は2.0%でしたが、
欧米で感染が拡大するようになって、致命率は上昇しました。
5月3日に7.1%になりましたが、その後は低下してきています。

  致命率 死者/感染者数
MERS-CoV中東呼吸器症候群 34.4% 858人/2494人
SARS-CoV重症急性呼吸器症候群 9.6% 774人/8098人
AH1N1pdm09新型インフルエンザ 1.3% 7,826人/62万2482人

*厚生労働省および世界保健機関資料による

【世界的な感染拡大】

2月段階では中国を中心としたアジアが感染の中心でした。
3月になると、中国や韓国の新規感染者が抑制され、代わってイタリアやスペインなど欧州の感染者が急増しました。
4月になると、アメリカ合衆国の感染者数が急増し、多数を占めるようになりました。

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