身近なハザードマップ調査(2025年)
※本ページのハザードマップは、教材用に一部を切り取り加工したものです。
   避難経路?避難場所の検討については、市区町村より配布?公開されている最新のものを利用してください。

赤字は教員のコメントです。

 
きむしゅう(埼玉県入間市)kml
このハザードマップは、埼玉県入間市の豊岡?西武?東金子地区の土砂災害を対象としたものである。今回私が行ったのは、土砂災害警戒区域の中の、特別警戒区域の場所である。まず、その場所がどんな場所なのかというのを、地理院地図の「地形分類」の機能使って、調べてみる。地形分類によると、その場所は、「尾根や谷からなる土地や、比較的傾斜が急な土地。段丘崖の斜面や火山地を含む。」と記載されていた。この文章からも分かる通り、坂が形成されている上に、傾斜が急な場所があるということが分かる。この情報を事前情報として、頭に入れながら、実際にその場所に行ってみる。周辺には坂が多く、どの坂も傾斜が急(写真)であり、人によっては、息が切れるほどである。警戒区域周辺に到着すると、その場所は、住宅地が形成されており、集合住宅もあった(写真)。まず、驚いたのは、その場所に平然と住宅地や集合住宅が形成されていることだ。その場所は土砂災害区域ではなく、土砂災害特別区域だということである。土砂災害が起こる確率が高く、被害も大きく見込まれる。その箇所に住むということは、何かしらの対策をしなくては将来的には人的?家屋等の大きな被害で出ると予想できる。しかし、写真を見る通り、前面をコンクリートで覆っている状態で、さらに上の部分は、何も手を施していない状態ということが分かる(写真)。(高台の写真
また、この状況は、写真では分からないが、さらに奥にも続いており、地図からも分かる通り、すぐ横には鉄道が通っている。仏子駅から入間市駅に向かう列車に乗れば分かるが、入間市駅少し前のカーブのところは、すぐ隣が崖という感じになっている。この場所は、数年前の台風で崩れており、昨年の雪の時には、倒木も発生している。しかし、現時点でも、少し柵をつけたかなというぐらいでしか対策をしていない。この入間市周辺は、加治丘陵地に存在しており、7割山を占めている飯能市と隣接している。そのため、森林が多く自然豊かな場所である。それを残すということも重要であるが、どう残し、そして災害を防止?最小限にするかが今後も継続的に考えていく必要がある。
今回、ハザードマップを見て、危険な場所を実際に訪れたが、予想していた場所が、やはり危険だということが再認識できた。入間市駅直前のカーブの土砂災害の危険がある箇所など、鉄道を運行するにあたり予測できる箇所について調査し、鉄道の運行が災害によって妨げられることがないよう、考えていくべきである。自然も守りたいという気持ちは一緒だと思うからこそ、自然との共存を意識し、より良い対策も考えていきたい。

文章が冗長で同じ言い回しが何度かくり返されています。文章を推敲してみよう。土砂崩れを防ぐコンクリ構造物は「擁壁(ようへき)」といいます。崖の標高差はどのくらい?坂の傾きを求められないかな? 高台の写真ですが、地面に亀裂が入っていないですか?「入間ガス」のコーンが置かれていますが、崩落した場合に、ガスが漏れるのかな?私有地に立ち入ることはできませんが、公道からだけでもさまざまな情報が得られると思います。

 
ろみ~(東京都奥多摩町) kml
これは東京都奥多摩町の奥多摩町土砂災害ハザードマップだ。今回は境の清泉 (写真)(東京の名湧水57選)付近を調査した。撮影地(写真)は土砂災害”警戒”区域に指定されており、周りは土砂災害”特別警戒”区域となっている(写真)。奥多摩町堺は砂岩頁岩層(地質図)に位置しており、地すべりをおこしやすいという地質的な特徴を持っている。実際に、撮影地から青梅街道に接続する道は地すべり地形に指定されており、地盤が安定していないことが分かる。また、この地域は谷地形をなしており、谷の斜面には住宅が密集して建てられていた(写真)。また、谷底には小川が流れている。この小川を使い近隣の住宅は地域特産のワサビの栽培を行っていた(写真)。しかし、撮影地点には土砂災害の危険性を知らせる看板が設置されていたことや、避難場所となっている堺集会所にも訪れてみたが、面している道路の幅は車一台ほどと狭く、崖沿いに位置していた。また避難所が土砂災害特別警戒地域に位置しているため、災害時には避難所でさえ倒壊する恐れが十分にある場所に位置している。今回訪れたエリアに有事の際安全な場所はないと感じた。そして実際に避難する必要性が出た場合。この地域の青梅街道では連続降雨量が140mmに達した場合には通行規制をかけられる場合があり、一部区間が通行禁止になる。実際過去には大雨のために撮影地点からみて青梅街道の青梅方面側の一部区間が通行禁止になったこともある。今回実際に行ってみたが、自然からの恩恵を強く受ける地域という印象だった、しかし自然からの恩恵にはリスクが含まれているということも考慮しなければならない。

参考:防災科研(30年震度6弱以上発生確率)   地理院地図(赤色立体図)   重ねるハザードマップ(土砂災害?洪水

土砂災害の危険があるのと、小河内ダムが大雨時に放流した場合に河岸侵食も想定されるのですね。新道を通ったことは何回かありますが、古い地図をみると、集落の上部に森林鉄道があったようですが、トンネルや軌道跡が残っているのかな?
 
ペンギン(千葉県船橋市) kml
千葉県船橋市金杉と夏見台の境目で、県道288号線と船橋市立医療センターの中間の地域について調査した。この場所は台地の谷間の谷戸や谷津と呼ばれる地形になっている。また河川と言うには小さいが、用水路が流れている(写真1)。この付近は地形図上で?田?の記載がされているものの、現在一部が住宅地へと変化している。船橋市のハザードマップによると、東西に位置する斜面が両方とも土砂災害特別警戒区域に指定されている。さらに谷間の低地が内水氾濫による浸水想定区域に指定されている。この場所で大雨が降った際に起こりうる災害として土砂災害と長期間の浸水が考えられる。前者に関してはすでに述べたように、土砂災害特別警戒区域に指定されている。東側の道路沿いの斜面(写真2)はコンクリートで固められているため土砂崩れのリスクは低いものの、西側の斜面(写真3)は特に対策がされていないため土砂崩れのリスクが非常に高い。次に後者に関する点である。この箇所は旧版地形図にも?田?の表記があるため、古くから水田であった。さらに台地上から水が流入しそれが溜まりやすく水はけが悪い。このように災害のリスクを抱える場所だが宅地の造成が進められているため、対策が必要である。

病院の一部がイエローゾーンなのが気になります。また、消防署の浸水が想定されていることも気がかりです。老人福祉センターは大丈夫かな?船橋市って市役所も危ない場所にありますしね。公共施設を作る時に地形を考えているのかな?
 
 
テラ(東京都足立区) kml
足立区のハザードマップの中でも、綾瀬川の洪水ハザードマップを調査した。調査地点は綾瀬川にかかる綾瀬新橋である。画像①を見ると川の水面と地面の高さがほぼ同じか若干地面の方が低くなっている。地理院地図で橋の地点の川の右岸側から左岸側の断面図(画像②)を作成すると,右岸左岸共に海抜0m以下になっていることがわかる。海抜が0m以下のため,氾濫した場合の浸水が長期間継続すると予想されている。地形分類図(自然地形)を参照すると,氾濫平野であることがわかり,氾濫や液状化のリスクが高いことが分かる。国土交通省のページを見ると中川や綾瀬川の流域は江戸時代以前は利根川や荒川の本流が流れ,頻繫に洪水が起きており,その際に運ばれた土砂によって低く平坦な土地が形成されたことが分かる。堤防もコンクリートの板で,橋の部分は増水時に厚さ26cm程度の鉄板(画像③)が閉まる仕組みになっていて,隙間の部分や鉄板の強度には疑問が残る。大雨災害時には,ほかの河川の状況を確認しつつ,比較的海抜の高い場所や都内をあきらめて下総台地方面へ避難する必要があると思った。

参考 国土交通省(中川?綾瀬川の歴史)  全国Q地図(関東地方迅速測図

現在の綾瀬川の直線的河道は江戸時代に作られたものですね。綾瀬駅付近で足立?葛飾区境が南北にうねっているのは、昔の隅田川の名残ですね。旧河道に注目すると色々なことがみえてきます。例えば、川越市指扇で荒川左岸が決壊した場合に濁流はどう流れるか?旧河道をたどってみると...。下総台地(松戸)まで距離がありますよ。避難するのにどのくらい時間がかかる?
 
チヨウ(東京都目黒区) kml
目黒区の水害ハザードマップは、想定最大規模の降雨(総雨量690mm、時間最大雨量153mm)に基づき、浸水の危険性が高い区域を示している。特に目黒川、呑川、立会川、九品仏川などの河川沿いは、浸水深が1?3m以上と予想される場所が多い。目黒区はほぼ全域が武蔵野台地上に立地して、土砂災害や液状化の危険は低いが、目黒川沿いや呑川沿いの低地では、内水氾濫や河川氾濫による浸水リスクが高いと想定されている。その中に一番気になるのは、東が丘一丁目にある3mの浸水被害に想定されたところ(調査地写真)。東が丘一丁目は、目黒区南西部を流れる呑川の流域に位置している。この川は、区内では多くの部分が暗渠化されていますが、東急大井町線の緑ヶ丘駅南側では開渠となっている。 吞川流域では、過去の浸水履歴や地形的要因から、浸水のリスクが高いと考えている。東が丘一丁目は、目黒区内でも比較的低地であり、周辺の地形と相まって、降水に水が集まりやすい地形である。 このため、内水氾濫による影響を受けやすく、浸水リスクが高まる。現地で実際調べて、ハザードマップに記載されている地域は、確かに坂道が多く、古い河道の跡も見つけた(グリーンベルト)。
参考:地理院地図(地形分類


呑川の上流は三つに分かれていて、桜新町から深沢の流れが本流、駒大周辺からオリンピック公園東縁の流れが駒沢支流、そして、東が丘から柿の木坂を流れるのが柿の木坂支流です。それらが合流するのが都立大学駅付近です。ほとんどが暗渠(緑道)となっていて、ただの遊歩道だと思っている人は多いのですが、谷地形なのでやはり内水氾濫の危険はあります。駒大北門?東門の道路もかつての川で、水田もあったようです今昔マップ)。
シャチ(東京都世田谷区) kml
これは東京都世田谷区の洪水?内水氾濫ハザードマップである。世田谷区は台地と低地から成り立っていて、低地の部分で浸水が起こる可能性が高い。今回訪れたのは、宮坂1丁目と桜1丁目の間の土砂災害警戒区域となっている場所である。地理院地図の自分で作る色別標高図を用いてみると、宮坂1丁目と桜1丁目では約5mの標高差があると読み取れる。現地に行ったところ土砂災害警戒区域となっている場所は苔むしたコンクリートの崖になっていた。土砂災害警戒区域となっていない隣の崖を見てみると比較的新しそうなコンクリートの崖であった。このことから、コンクリートで固めて土砂災害を防ごうとしても年月が過ぎるにつれて意味をなさなくなると感じた。このまま何もせず放置し続ければやがて起こるかもしれない大雨の際、土砂崩れが起きると考える。また、大雨により宮坂1丁目側では家が浸水してしまう可能性がある。



ニックネーム:シャチ
にしざき(東京都世田谷区) kml


(写真


ながい(東京都世田谷区) kml

調査は世田谷の二子玉川駅付近で実施した(写真)。世田谷区の洪水?内水氾濫ハザードマップを見てみると、二子玉川駅から新多摩川大橋にかけての多摩川沿いのエリアはほとんどが3m~5mの浸水想定区域になっている。この辺りを治水地形分類図で見ると、氾濫平野に分類されているが、瀬田一丁目や上野毛三丁目の方には丸子川が流れていたり、野川の合流地点が二子橋上流にあるので多摩川の氾濫原になっていると想定される。実際に2019年の大型台風では二子橋上流側から氾濫が発生している。しかし、ここにはそこそこ大きな自然堤防があるのだがそれを乗り越えて氾濫したのだろうか。自然の力は改めて恐ろしいと感じた。この付近を実際に歩いてみると、氾濫発生箇所には最近できた立派な堤防が完成していて、玉川公園方面にも堤防の整備が進んでいて安心感は増している。だが、やっぱり二子玉川当たりの地形は瀬田や上野毛に比べて圧倒的に低い。これでは堤防を築いたとしてもハザードマップ通りしっかりと氾濫、浸水の可能性は依然高いままであると感じた。

2019年受講生「坂上田村麻呂さん」の撮影写真は(こちら)。令和元年東日本台風の翌日に撮影したもの。ながいさんの写真よりも上流(西側)から二子玉川駅方面を撮影しています。写真の右側が多摩川の方向。まだ泥水が残っていることがわかります。多摩川が溢れたのは、二子橋の下あたりとみられます。台風による浸水の後で、教習所から田園都市線の下あたりまで、緊急工事を行ったようです。なお、丸子川はかつての用水路であり、台地のへりを流れています。
 
りゅうた(川崎市中原区) kml
このハザードマップは、2日間で約600mlの降水があり、多摩川が洪水してしまった際に予測される浸水域とその水深が示された物である。このビックリマークがある場所は電車の下を行き来出来る様に作られた地下通路(写真)だ。この地下通路は約0.5mの浸水が予測されている。写真の通り、入口はかなり急であるため、周囲が浸水した場合は99%水が溜まっていくと思われる。(入口手前の傾斜はほぼ皆無であった)。この地が浸水する場合、外水氾濫よりも内水氾濫の方が影響が大きいと考える。多摩川からは約1.5km離れているため、直接ここまで水が押し寄せるとは考えにくい。(近くに二ヶ領用水はあるが)排水が追いつかず水が溜まっていくのでは無いかと考えた。この地下通路が浸水しないようにするには、まずは入口手前に傾斜をつけたり、排水溝を増設するべきだと感じた。(写真には写っていないが、排水溝は1つだけあった)

地理院地図(地形分類)

降水量の単位はミリリットルではなくミリメートルです。雨量といいますが、溜まった雨水の深さです。このハザードマップは多摩川の氾濫を想定して作られたもの(つまりは外水氾濫)のようです。多摩川右岸が決壊したら、浸水の危険はあると考えるべきでは?あと、令和元年東日本台風の浸水実績を調べましたか?
 
 
 
沼津のコアサポ(静岡県沼津市) kml
沼津市「地震?津波ハザードマップ」(全市版)。被害が想定される場所(調査地)?沼津港及び周辺区域、「びゅうお」(写真2)写真3)(写真4
地理院地図の地形分類によると土地の成り立ちとしては、「氾濫平野?海岸平野」に分類され「土地の成り立ち 起伏が小さく、低くて平坦な土地。洪水で運ばれた砂や泥などが河川周辺に堆積したり、過去の海底が干上がったりしてできる。」「この地形の自然災害リスク 河川の氾濫に注意。地盤は海岸に近いほど軟弱で、地震の際にやや揺れやすい。強い地震による液状化発生傾向は海岸平野で強く、氾濫平野ではやや強い。沿岸部では高潮に注意」とある。また、沼津港の一部は、人工地形であり、「盛土地?埋立地」に分類される「土地の成り立ち 周囲の地表より高く盛土した土地や、海水面などの水部に土砂を投入して陸地にしたり、谷のような凹地を埋め立てて造成したりした土地。この地形の自然災害リスク 高さが十分でない場合には浸水のリスクがある。山地や台地では降雨?地震により地盤崩壊のリスクがある。低地では液状化の発生傾向が非常に強く、海や湖沼?河川を埋め立てた場所では特に注意。
南海トラフ巨大地震では震度6弱が予想され、津波の到達時間は約7分、津波高は6mと予測されているがそれ以上のものが来ると考えるべき。そこで今回調査した場所が沼津港航路水門「大型展望水門びゅうお」沼津港の内港と外港を結び、普段は、漁船の行き来などがあるためしまっているが、震度5強以上の地震が発生した場合、または津波警報、大津波警報が発生した場合、自動閉鎖の信号が感知すると、自重落下による閉鎖を始める。自重落下には2分間のサイレン?回転灯の周知から、3分で閉鎖、つまり計5分で完全閉鎖が完了する。想定では5.8mの津波を防ぐことができる。果たして、びゅうおは5.8mで津波から市民を守れるか?

東日本大震災の時、東京湾の一部水門では閉まらなかったところがありました。道路渋滞により職員がたどり着けなかったとか...びゅうおは自動で閉まるようですね。御用邸記念公園より南の海岸では、海岸堤防よりも想定津波高の方が高いわけですね。大津波警報が発表された状況で、市街地で火災が発生してしまった場合にどうするのか(輪島市の例があった)、考えなくてはならない問題もありそうですね。